2012年1月21日土曜日

日本で安心して暮らしていくための新しい社会の仕組み

日経ビジネスに連載されている波頭氏の「日本の国民が安心して暮らしていくためには、社会の仕組みをどのように変えて、どのような政策を実現しなければならないのか?」ということをテーマにした『成熟時代に突入した日本へのアジェンダ』というコラムを自分なりにまとめてみました。

なぜ日本経済はこんな低体温体質になってしまったのか? その根本原因は人口の成熟にある。

まず、いまの日本は人口が増えていないから需要が成熟してしまって供給過剰が起きてデフレになってしまい、経済成長につながっていかないということです。

日本経済を復活させ、成熟社会における豊かな生活を実現する手立ては存在する。政治が今まであえてやらずにきたことの中に解はあるのだ。

そんな成熟した社会で経済を復活させるには政治が今まであえてやってなかったことをやりなさい。

実需のある分野にカネとヒトを投入することが経済の基本

これまでの経済対策は、乗数効果が1.0程度しかないと言われる公共事業を積み増したり、雇用調整助成金を配ってリストラを抑制したりと、旧来の産業構造を守り従来のやり方を繰り返すばかりの対策だった。

需要の無いところで強引に公共事業を展開しても、経済成長は見込めない。そればかりか、財政赤字を拡大するだけでかえって経済の重荷になってしまう。

これまでの経済対策は経済成長につながっていない。

今すべき事は、社会構造の変化に合わせて産業構造をシフトすることである。成熟社会を迎えて、医療・介護産業は極めて大きなポテンシャルを有している。一刻も早くこの分野の拡充政策に注力すべきである。

医療・介護など福祉に産業構造をシフトしなさい。

生きる不安を取り除くことが新しい社会インフラ

国家の使命とは、国民に安心・安全で豊かな生活を提供するために、国民の誰もが医・食・住を保障される国づくりをしなさい。私たち国民もそのような国づくりに参加しよう。

これからは資産課税の対象として金融資産も含めることが望ましい。そもそも資産を預金や証券で持っている場合には課税されないのに、そのお金を土地に換えた途端に固定資産税を課せられるというのもおかしな話である。

生きる不安を取り除くためには、もっと税金が必要だから、見直すべき法律もあるはず。

今の日本では金融資産の3分の2以上を55才以上の高年齢層が寡占しており、お金持ちイコール高年齢層というイメージが定着している(高齢者イコールお金持ちではない、念のため。生活保護手当て受給者のうち40%以上は高齢者である。高齢者の中には介護費用や生活費の不安を抱えている方が多数存在している事実は忘れてはならない)。

年寄りが金持ちというわけじゃない。お金持ちの年寄りは将来に不安があるからお金を溜め込んでしまって経済活動にあまり貢献していない。

そもそも日本の経済が様々な歪みを抱え込んでしまった最大の理由が、増税をしてこなかったことにある。

「国民全員に医・食・住を保障する」ための追加コストは約15兆円である。この15兆円という追加コストに加えて、プライマリーバランスをゼロに引き上げるための歳入を実現することが必要である。この15年間の国債発行残高の増加分は毎年36兆円。従って、15兆円と36兆円の合計51兆円の増税を実現すれば、財政破綻のリスクを回避しながら「国民の誰もが医・食・住を保障される社会」を築くことができる。

消費税10%アップ、金融資産課税1%、相続税の実効税率50%というパターンでの増収合計が51兆円であったが、この金額は奇しくも上に示した必要金額と符合する。

国民の誰もが医・食・住を保障される国づくりでは「成長論」から「分配論」へシフトすべし。分配のためには増税が必要。

「分配論」の切り札、ベーシックインカム(BI)

「分配論」を軸にした政策にベーシックインカムが使える。

ベーシックインカム(以下、BI)には根強い批判、反対論が存在する。

  1. 働かなくても生活できるようになれば、働かない人が増える。
  2. BIのコストは国民経済の固定費として負担になり、経済競争力を削いでしまう。
  3. BIを支給するための原資は巨額で、財政を圧迫する(そのため、他に必要な公的支出にお金を回せなくなってしまい、かえって国民の厚生レベルを低下させてしまう)。
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